洋裁を始めた頃のこと
高校3年、2月末ごろ。共通一次(もう死語ですね。。)に失敗した私は、国立を早々に諦め、第二希望だった短大に進路を決めて、それなりに希望に胸を膨らませていた。学校ももうお休み。
それまで、部活に夢中で、クラスの子がノンノなんかを見ながらわいわいやってるのを横目に、休み時間もブラバンにささげた生活だった私は・・・
- 制服
- パジャマ
- ジャージ
- デニムのスカート
- Tシャツとトレーナー
といういたってシンプルで数えるくらいの服しかなかった。
そうだ、もう制服が着られないんだから、着ていく服に困るぞ!
ていうか、服を買いに行くのに、お店の人に見られてもいいかわいい服が無い!!
早速、一番近くの、通学に使っていた超ローカルな駅に走り、いつもかわいいなー、と思っていたショップに財布を握り締めて入った。
ほんっとうーに服にかまわなかった私は、一人で買い物も初めてだった。(今考えるとすごいな。なにやってたんだ私)
一番に目に入った、ツイードのミニスカート。
『ご試着できますよぉ〜!どうぞ♪』
『あ、すみません、お願いします。。。』
『いかがですかぁ?』
『うーん、こんな感じなんですけど。。。』
『わぁ、とっても似合う〜♪』
『・・・』
『これ、ミニだけど、ハイソックスとか合わせるととってもかわいいよ』
『・・・ちょっときついんです・・・』
『ん、あ,Lサイズもあるから、着てみて!』
(ちゃんと値段を確かめて、、よしこれならいいかな)
『・・・今度はウエストがすごくゆるいんです・・・』
『・・・でも、上からセーターを着ちゃえば、大丈夫よ〜』
『そうですね、、、じゃあ、Lを下さい』
『ありがとうございます〜!これにあわせてブラウスも持っていく〜?』
お姉さんは本当にこう言ったのだ。"持っていく?"
あれ、"持ってっちゃう〜?"だったかな、
・・・お初の買い物で、冗談ぽい言い方は初めてだった私は、
まじで「くれるのか?」と思ったけど、んなわきゃ無い、とも思った。
『・・・いえ、またにします』
『あ、そうですか、ありがとうございましたぁ〜♪』
家に飛んで帰って。
まず、母に自慢がてら見せびらかす!
『こんないいのがあったんだよ〜!』
『・・・あら、ゆるいじゃない』
『でも、Mはおしりがパンパンで、太って見えるんだもん』
『これ、ボタンで留める巻きスカートだから、ボタンの位置を変えればいいのよ』
『ええーー、そうなの?・・・でも、でも、、』
『直せるかどうか、見てあげようか?どうせスーパーに行くし』
お母さんについてきてもらって、サイズを取り替えてもらうなんて、なんて情けないんだ、、でも、確かにゆるいし、、、もうあの店には行けないな、、、
ぐじぐじ考えながら、再度ショップへ。
Mをもう一度試着して、母に見てもらう。
『ここのヒップのところのボタンをとって、少しずらして付ければぴったりよ!』
あっけないほど、スムーズに商品交換が終わった。
ぼーっとしたまま、隣の書店に入る。
ここは、私の行きつけだった。
漫画おたく、ってくらい、漫画が大好きだ。今でも。
雑誌のコーナーは人がいつもいっぱいなので避けていたのに、その日は書店から出たくなくて、すみずみまで回った。
と、飛び込んでくる表紙。
「SO-EN」
あの鷲尾いさ子さんがほほ笑んでいる。
ふらふらと手にとって、ぺらぺらめくる。
そうか、自分で作っちゃえばいいんだ!
母は、洋裁学校を出て、紳士服のお店にいたこともある。小さい頃は、お出かけのときなどいっぱい服を縫ってくれていた。
でも、私は、自分が着れる服を自分で縫う、という考え方はなぜか全然無かった。
なんでだろう?分からないけれど、その日までは、そうだった。
幸せな発見に、帰宅してから隅々まで読み、母のためていた布のダンボールをひっくり返し、大きな包装紙を探し、ものさしを引っ張り出して、、、
最初の作品は、薄いベージュピンクのタイトスカート。
画像が残っているか、調べてみよう。
あのスカートから、私の洋裁ライフが始まったのだ。
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